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風の向くまま、気の向くままに更新します♪ ホームページと連動しておりますので、HPの方もよろしくお願いしますm(._.)m
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年明け……新学期早々、1年1組は驚愕の真実に打ちひしがれていた。
「えっと……」
真剣な面持ちで相談されたクラスメイトの佐藤君は、返答に窮す。
「あのさ……初デートもまだって事……?」
やっとの思いで絞り出したのは、そんな質問だ。
そんな茫然自失なクラスメイトの様子に、緋岐は何となくムッとなって応える。
「デートくらい、毎日してる。」
「たっ……例えば……?」
佐藤君が、恐る恐る尋ねると、やはりぶっきらぼうな声が返って来た。
「……部活終わったら、一緒に帰ってるし……」
その時、クラスの心は一つになった。

ーそれ、デートじゃないし!

そこに……

ガラッ

音を立てて開いた戸に、自然と視線が集まった。そこに居たのは、何も知らない子羊……もとい、天海 将その人だ。
クラスメイトの熱い視線に、将は思わず一歩退く。
「なっ……何……?」
将の言葉が早いか、はたまた女子が動くのが先か……
一斉に立ち上がった女子に、将は拉致されてしまったのだった。
それを機にクラスの男子は緋岐を取り囲む様に集結した。
中々のチームプレーである。
「クリスマスは!?恋人イベントだろ!」
取調室さながら、詰め寄るクラスメイトに、緋岐は困り果ててしまって、そっと兄に助けを求めた。……だが……何度呼び掛けても返事がない。

こんな時だけ狸寝入りするなよな!

心中で、思いっきり兄を詰る。
と、それまで思案に耽っているらしい緋岐の言葉を、固唾を飲んで待っていた男子生徒の一人が、痺れを切らして思わず口を開いた。
「どうなんだよ、鴻儒…デートしたのか?してないのか?」
そんな尋問に近い問い掛けに、緋岐は眉根を寄せながら応える。
「ヨンタさん騒動で、それどころじゃなかったというか……」
ヨンタさんが何者なのか、残念ながらこの場に居合わせた面子の中に、知る者はなかったが、ぶっちゃけそんな事は些細な問題でしかない。重要な……というか、大問題なのは……
「デートしなかったのかよ!?」
「まあ……そうなる……」
もはや、溜め息しか出ない。
そんなクラスメイトの様子に、弁明する様に緋岐は口を開いた。
「いや、でもプレゼントは渡したし……」
「えっ!?」
思いもしなかった予想外の出来事に、少年達の顔が期待に輝く。

拍手

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詆歌をいつも応援して下さって、ありがとうございますteika-thankyou.jpg
という感謝の気持ちを込めまして、お送りさせて頂きます♪

と、偉そうに言ってみましたが、この美麗な詆歌は私ではなく詆歌というキャラクターの生みの親、みこ姉こと命様が書いてくれました♪

他にも「誰それが見たい!」とお言葉を下されば、書いてくれるそうです
むしろ、私がリクしたくてウズウズしておりますwww

というわけで……

拍手でも良いです!誰が見たいか、一言お寄せ下さい
みこ姉が、書いてくれます♪

書いてくれるよね!!?

と、いうわけで拍手はこちらから♪

拍手

皆さま、いつも覗いて頂いてありがとうございます
今回は、キャラに向けての応援メッセージを幾つか頂いたので、それぞれに応えてもらおうかと思います

>羅侯の話が切なくて好きです。本編も読んで来ました!一人じゃないよ!と伝えたいです。

羅侯「あなたは、とても優しい人なんだね……ありがとう……」


>由貴は、小さいままが良いです(笑)“沙羅夢幻想”に出て来る由貴より、“月の記憶”に出て来る由貴が好きです!(匿名)

由貴「Σえ!?ここは喜ぶべきなのかな?気持ちは嬉しいけど……目指せ3mだから

>由貴は、小さい方が可愛いくていいです(匿名)

由貴「大きな俺は、ダメですか


>紗貴さん、姐御と呼ばせて下さい(匿名)

紗貴「あら喜んで


>紗貴は、詆歌と緋岐のどっちが好きなんですか?(匿名)

紗貴「はっ//////そんなっ……私は別に


>見ていて、もどかしいです!緋岐も詆歌も、もっと強引にいっていいと思います!

紗貴「ちょっ/////なっ……何て事を!」

緋岐「いやでも、こういうのはお互いの気持ちが大切だから……」

紗貴「そこ!真面目に答えない!」


>押し倒しちゃえ(作者)

紗貴「そこ、どさくさに紛れてデタラメ言うな

詆歌「嫌われたもんだなそこまで、力いっぱい否定されるとは……」

紗貴「いやあの……そういうんじゃなくてっ

詆歌「そういうんじゃなくて?」

紗貴「近い/////何か近いから

緋岐「まあ……その時が来たら、そのうち……」

紗貴「だから/////真面目に答えない





皆さまの応援、いつも嬉しく見せて頂いております
また、ある程度メッセージが蓄積されたら、こんな感じでお返事させて頂きますね

拍手

ずっと聞きたかった

ずっと確かめたかった

「マナ……あなたは、今幸せ?」
その言葉に、マナは微笑を浮かべて頷いた。
それは、いつしか忘れてしまっていた、羅侯が大好きなマナ。
「良かった……」
無意識だった。無意識のうちに出た言葉だった。
マナが静かに近寄る。何も言葉はない……だが羅侯にはマナの心が判った。
「ごめんね……僕が呼んでしまったんだね……」
そっと、羅侯は手を伸ばした。触れている筈なのに、感触はない。手が届くところに居るのに、今はもう遠すぎて触れる事すら叶わないのだ。
「僕は大丈夫。……心配を掛けてごめんね?でも、もう大丈夫だから……」

……在るべき場所へ……

羅侯の言葉に導かれる様に、マナは無数の蝶へと姿を変え、空高くへ……マナを待つ人の元へと還っていった。
見送る羅侯の頬を、冷たい雫が伝う。
羅侯はその雫の名も判らずに、いつまでも空を見上げていた。

泣かないで……

僕なら大丈夫

大丈夫だから

“僕”という幻想に
囚われないで……

まほらばの夢を
終わらせて

僕は唄い続けよう

あなたに届くように……

あなたの幸せを祈りながら

いつまでも……

……ずっと……

拍手

泣かないで……

僕なら大丈夫

マナが寂しくないように

どこに居ても

僕が判るように

風に調べを乗せて

あなたに贈ろう



羅侯が大気に溶ける……人の悪意が羅侯を蝕む。終焉の刻は、ゆっくりと迫って来ていた。

羅侯は、己れの宿命を受け止めていた。

でも……

未来が視えた。

それは、余りにも無慈悲で……

運命を遵守して来た羅侯の、最初で最後の抵抗。

幾つもの罪を重ねて尚、守りたかったのは、たった一人の“笑顔”

羅侯は、一つの“未来”を変えた。
それは世界が歩む筈だった“道”の喪失と同意の事で……
“道”を失った世界には無数の“可能性”が生まれた。
ばらばらに砕け散った“道”を世界は迷走し始めた。

羅侯のたった一つの守りたかったものは

切なる願いは

贖い切れない代償と引き換えに
成就したのだった

否、した“筈”だった。

マナのいなくなった泉の畔で、羅侯は今日も口ずさむ。
マナと交わした約束のままに……

風に紡がれて大気に溶ける様に、そっと唄う。


泣かないで……

“僕”という幻想に囚われないで……

まほらばの夢を終わらせて


「あなたは、どこから来たの?あなたも一人?」

ふわふわ

ふわふわ

蛍火は羅侯の周りを遊ぶ様に泳ぐ。
羅侯は首を傾げて両腕を広げる。すると、誘われる様に、その蛍火は羅侯の手の中にスッと収まった。
「ああ……あなたは現し世を生きているんだね……迷い込んでしまったのかな……」
夜は、人を惑わせる。生きとし生ける者全てが、夢の世界をたゆたう時、稀に迷子になる魂がある。
「大丈夫……朝が来れば帰れるからね……」
その言葉に淡い光の球体は、手の内から飛び出して再び羅侯の周りを浮遊する。
「僕と居てくれるの?僕なら平気だよ」

もう二度と逢う事は叶わないけれど……

言いながら、空を仰ぐ様に見上げる。
「この空のどこかに、僕の大切な半身がいて」

きっと笑っている

もう僕の事なんて
記憶の片隅にもない

それを望んだのは
僕自身……

血に濡れた多くの罪
失う恐怖に流す涙

全てをここに置いて……

「幸せでいてくれるなら、僕も幸せだから……」
しんと冷たい静寂が広がる。言葉を持たないその魂は、それでも羅侯から離れようとはしなかった。
「……“外”の事を教えてくれるの?」

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子供:おやすみなさぁい
母:おやすみなさい。早く寝るのよ
子供:はあい!早く寝ないとサンタさん来ないからね!(ガチャッ:ドア開ける)
謎男:こんばんは
子供:アンタ誰!?
謎男:“アンタ”じゃない!“サンタ”だ!
子供:え!?……サッ……サンタさん……?(疑惑の眼差し)
謎男、改めてサンタ:そうだ!この服見て判らないのか!?
子供:サンタさん……どこから入って来たの?
サンタ:ちょっとそこから
子供:って、窓割ってるじゃん!
サンタ:だって、煙突なかったんだもーん。
子供:“だもーん”って……Σまさか泥棒!?
サンタ:なっ!そっ…そんなワケないじゃん。
子供:怪しいよ……しかもサンタさんは、おじいさんな筈なのに、やけに若いし……
サンタ:ああ!実はサンタじゃないからな!
子供:やっぱり泥棒!?
サンタ:違う!俺はヨンタだ!サンタの孫的な!
子供:サンタさんはどうしたの?
サンタ改めてヨンタ:持病のヘルニアが……
子供:そっか、大変なんだね……そうだよね……ごめんね?疑って……
ヨンタ:判れば良いんだよ少年
(ガタガタ:物音と共にドアが開く)
ヨンタ:む!?(拳銃構える)
ポチ:ワン
ヨンタ:何だ、犬か……驚かせるな少年の母親かと思った……
少年:ねえ!今撃とうとしたよね!?明らかに、ママだったら撃ってたよね!?
ヨンタ:ハハハまさか……そんなワケないだろ…モデルガンさ
少女(ベランダの割れたガラス戸から):へえ妖退治しに来たら、窃盗犯見付けちゃった……
ヨンタ:何!?失礼な!俺はサンタの孫のヨンタだ!

拍手

由貴:メリー・クルシミマス!
敦:……また、ヒネリのないボケだな(笑)
由貴:何だと!?失礼な!何だよ、カッコ笑いって!!(咳ばらい)♪メェーリさんの ひっつっじっ ひっつっじっ ひっつっじっ 苦しぃ~みまぁ~す♪
敦:いやいやいや!そこは歌ってないで、助けろよ!
由貴:苦しみます!
敦:何で二回言うんだよ!
由貴:ところで、敦……真面目な話、ちゃんとサンタさんに願い事したか?
敦:俺の疑問は無視かよ……っていうか、そんな事を真顔で真剣に言われても……っていうか、何やってんだ?
由貴:え?何って……願い事を書いた紙を、ツリーに飾ってるとこだけど……
敦:お前、それは七夕だろう!?12月に願い事したら、織り姫と彦星もびっくりだよ!
由貴:でも、皆やってるよ?ほら……
敦:何か違うだろー………って、兄貴も書いてる……
由貴:こっちは、姉貴に緋岐先輩……翠琉に、カヤ姉……よし兄のもあるよ♪
敦:何々?『今日も良い天気でした。』って……カヤ姉!これは日記!
由貴:『出番をくれ』ってのもあるよ!これは翠琉かな?
敦:何か、翠琉のは切実な願いだな(ホロリ)
由貴:ちなみに、サト兄のは『まずは、日本征服』……笑えねぇ……
敦:“まずは”のくだりが気になるよな……本気でやりかねないよ、兄貴は……
由貴:気を取り直して、次行ってみよー♪
敦:『新しい木刀』……何か、まともっていえば、まともだよな……
由貴:それは、姉貴だな……へし折ったって言ってた……
敦:敢えて、理由は尋くまい……
由貴:よし兄が……『新しいパトカー』………
敦:サキ姉とよし兄の間に何かあったって事は判ったけど……
由貴:刺さらぬ紙に、たたりなし!次だ次!
敦:刺さる紙って……どんだけ鋭いんだよ……それ言うなら『触らぬ神に祟りなし』だろ……まあ、同感だな……
由貴:緋岐先輩が『あの犯人が死にませんように』
敦:………
由貴:……………

※少年達は、目と目で語り合った!

敦:サンタさんって、大変だよな!
由貴:そうだな!夢を配る職業だからな!
敦:良い子の皆は、サンタさんが困るような、願い事はしたらダメだぞ♪




メリークリスマス!

拍手


>詆歌みたいな、お兄ちゃんが欲しいです(><)かっこいい(匿名)の方

おおおこんな感想頂いたの、初めてなのでちょっと嬉しいです♪
このキャラクターは、実は友人(類友と書いて、“シンユウ”と読む/笑)のミコ姉からの頂き物でしてwww生みの母も、大変喜んでおりましたwww
ありがとうございますm(_ _)m



>私も、ハギュッってされたいです!(匿名)の方

ななな……なんと!!鴻儒兄弟が、異様な人気っぷり!!!むしろ、詆歌人気にびっくりです(笑)そうですか……ハギュッされたいと……実は、作者も詆歌大好きなので、同志が増えて、嬉しいですwww


>緋岐の成長が、見ていてとても逞しいですwww「沙羅夢幻想」のような、強い緋岐に、いつなるんですか??そして、何故本編に、詆歌が出てこないのでしょうか(><)とても気になります!!(匿名)の方

いづれ、来るだろうとは思っていました。。。本編との関連性!!実は、この番外編「月の記憶」で緋岐が“呪力”を行使できない事と、本編「沙羅夢幻想」に詆歌が出ていない事には、深い意味合いがありまして……
本編稼動が出来る日までに、真相解明したいと思いますので、どうぞお付き合い下さいませ


>姐御!!着いて行きます!!(匿名)の方

ままま……まさか、姐御とは……紗貴の事でしょうか(笑)確かに、姐御肌かも知れないですねwww
でも、彼女に付いて行くのは大変な気が……少し遠くから見つめる事を、お勧めします



沢山の拍手を、ありがとうございますwww
最近は、一言感想の量も増えてきて、とても嬉しい限りwww

「月の記憶」は、実は10話完結の予定でしたが、キャラが暴走を始めて、まだしばらく続きそうです(笑)
もしも宜しければ、これからもここに足を運んで、彼らの成長を見守ってやってください♪

それでは、今日はこの辺で失礼しますm(_ _)m



拍手

いつも、拍手をありがとうございます♪活力をもらっています


>ごんざれす……ウケましたw(匿名)の方

座布団一枚もらえますかね!?これからも、シリアスの中に所々笑いをちりばめたいと思っておりますので、よろしくお願いします♪


>由樹と鋭のやり取りが大好きです♪続きが気になります(>_<)(匿名)の方

嬉しいです♪近々アップしますね実は、私自身もこのコンビ大好きですなので、共感して下さってとても嬉しいです!




>緋岐って悲しい過去があるんですね(;_;)(匿名)の方

悲しいというか……酷いですよね!(自分で書いてて何を言う/笑)
これから、緋岐がどうやって乗り越えて行くのか……優しく見ていてあげて下さい♪





最近、前に比べて拍手をして下さる方、コメントを下さる方が増えて嬉しい限りです
やる気がモリモリ湧いて来ます!
これからも、よろしくお願いします(o^∀^o)

拍手

>エイちゃんと、ユギくんとカガヤが大好きです(匿名)の方

ありがとうございます♪
しかし!

ちょっとお待ち下さい!

もしや……
鋭 エイちゃん
由樹ユギくん
と読んでらっしゃる!?

すみませんそういや、読み方を明記してなかったですよね……なので、今更ながら、ここでお知らせします!

高条 鋭 たかじょう さとき

坂本 由樹さかもと よしき

桐谷 香雅夜きりたに かがや


ついでに<月の記憶>の人物名♪

詆歌 ていか

天海 将 あまみ しょう

楼上院 蘭子ろうじょういん らんこ

です!
他にも読み方が判らない名前があったら、遠慮なく教えて下さい


ポチッと押して頂ければ、管理人のやる気に繋がります
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~恋人ごっこ上(3)~


子供は、親の人形じゃない
期待に応えられなかったからって、恥じることはない
自分らしく生きれば良い

 そんな当たり前の事に気付かないで、ただ我武者羅に親の期待に応えようと奮闘して、そして心が折れて‥‥逃げるように実家を離れて辿り着いた場所で、由樹はやっと自分の居場所を手に入れたような気がしていた。
 当たり前の事に気付かせてくれたのは、誰でもない鋭と香雅夜の二人で‥‥
「俺にとって、鋭と香雅夜は憧れなんだ。ちゃんとお互いを見て‥‥お互いが必要で‥‥」
 由樹が二人と出会った時、二人は既にそういう関係だった。オシドリ‥‥そんな言葉を連想させる絆が二人の間にはあって‥‥だからといって、別段二人がその事を意識しているわけではない。
「でも、父さんは俺の意思なんか無視して、会社と会社の繋がりに、俺を利用しようとしてる‥‥」
 そこに、お互いを思いやる“愛情”や“労わり”なぞと言ったものはなくて‥‥そんな冷たい関係を強いられることが、堪らなく嫌で‥‥だから、口から出任せに言ってしまったのだ。
「その‥‥“お付き合いしている女性がいる”って‥‥」
 その後は大変だった。やれ、どこの誰だ。家柄はどうなんだ。年上か、年下か。果ては‥‥

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~恋人ごっこ上(2)~

不思議そうに首を傾げながら指で示すのは、隣の小屋にいるセキセイインコだ。笑顔が固まった瞬間だった。
「いや、香雅夜‥‥そのネーミングセンスはどうかと‥‥」
 頬の筋肉が引き攣るのが判る。
「坂本、そこで衝撃を受けるな。ご隠居もいる。」
 そう言いながらクイッと指し示すのが、鶏小屋だ。
「はい、コウモンさんです。」
 満面笑顔で紹介されて、由樹はとうとう堪え切れなくなって、思いっきり噴出した。そんな由樹を見て、心外そうに香雅夜が言う。
「だって、鶏冠がお髭っぽく見えませんか?」
 小首を傾げながら、不思議そうに言う香雅夜に、鋭は深いため息をつく。
「お前のネーミングセンスは、破滅的だな。」
「そういや、この間拾った仔犬の名前なんて、“ごんざれす”だっけ?」
 言いながら、思い出したのだろう‥‥目に涙を浮かべて笑いながら、途切れ途切れに由樹が続ける。
「ゴールデンレトリバーの、ごんちゃん‥‥良い名前じゃないですか?」
「良くねえよ。外種の犬に、和名付けるなよ。」
 今更遅い、抗議である。
「あれ?そう言えば、よし君は私に何か御用があったんじゃないんですか?」
「あ、そうだった!」
 話が横道に逸れてしまって盛り上がる事は、別段珍しいことではない。だが、今日は逸れたままではまずいのだったと、由樹は気を取り直してまじめな顔で香雅夜に言う。
「付き合って欲しいってのは、冗談じゃないんだ‥‥俺の“彼女”になって欲しい‥‥」

拍手

~恋人ごっこ上(1)~

「香雅夜、俺と付き合ってくれない?」
「え?」
 桐谷 香雅夜は、自分と同じようにしゃがみこんだままニコニコ微笑む男子生徒に、そんな間抜けな返答をするとウサギの“スケさん”を膝に乗せたまま思案に耽る。
「いいですよ。」
 ふわりと微笑んで、香雅夜は頷いた。その予想を裏切らない返答に、少年は苦笑を禁じえない。思わず噴出しそうになるのを、腕に顔を埋めて必死に堪える。そんな様子に何を勘違いしたのか‥‥香雅夜は心配そうに少年を窺い見る。
「あの‥‥よし君‥‥?大丈夫ですか?」
-お熱でもあるのでは‥‥
 言いながら差し出す左手は、だがしかし、少年の額に触れることなく上から攫われた。
「おい、バカヤ‥‥何、堂々と浮気してやがる。」
「鋭、早かったですね。」
 それでなくとも元来の人相の悪い少年は不機嫌丸出しの今、その迫力は計り知れない。いきなり現れて香雅夜の頭上から彼女の伸ばされた左手を無造作に掴んだ、その殺人犯と見間違うほど凶悪な人相の少年に、香雅夜は少し嬉しそうにそう応える。
「あれ?鋭、いいって言わなかったっけ?」
 鋭と呼ばれた少年は、揶揄の色を帯びたその言葉の持ち主を、その眼光だけで殺せるのではないかと思ってしまうほど、睨み付けた。
「由樹‥‥わざとだな?相変わらず、なめた性格しやがって‥‥」
 その言葉に少年‥‥坂本 由樹は臆することなく‥‥むしろ、この状況を愉しんでいることを肯定するかの様にニッコリと微笑む。対照的なのが香雅夜だ。今一歩順応し切れていないようで、困惑げに二人を見比べる。
「あの‥‥何のお話しですか?」
 口を挟んで良いものか悩んでいたらしい香雅夜は、おずおずと尋ねる。その声に、二人の少年は香雅夜に視線を移す。
「あのさ、香雅夜‥‥付き合うって意味、判ってる?」
 そんな、念押しの様な由樹の言い様に小首を傾げる。
「どこかに、お出掛けするんですよね?」

拍手

何と!ブログにも携帯対応の拍手ボタンを設置できる事を、今日知りました(^^)v

皆様の「ポチットな」が、活力です♪

拍手のお礼も、用意させて頂いておりますwww(もう、恒例になりつつある、あのコンビです(笑)

お気軽に、感想等もお寄せくださいm(__)m

ではでは、最近HPよりも活気付いてきております、ブログですが……皆様、よろしくお願いします!

拍手

(匿名?)の方
>マナとラコウの番外編見たいですv

了解しましたwwwどうやら、本編を見てくださったようで……リクエスト、ありがとうございますwww
私も、(自分のキャラクターながら)この2人は好きなのです♪
ご期待に沿えるかどうか、判りませんが、執筆し次第アップしますね


(匿名?)の方
>「おかえりのうた」が、誰の話か気になります(><)

おおおwww早速、読んで頂けたみたいですね♪ありがとうございますm(__)m
後々、明かしていく予定なので、乞うご期待くださいませwww

皆様の拍手が、管理人の活力の源ですwww
ご意見、ご感想をどしどしお寄せくださいm(__)m

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HN:
翔 梨藍
性別:
非公開
職業:
学生
趣味:
散歩、サイクリング、世の中の不思議について考える事
自己紹介:
徒然なるままに、色々書いています♪
お気軽にコメントしていって下さいねwww
尚、『胡蝶の夢、泡沫の空』で頂いた拍手の返信も、ここでしております♪
皆さん、よろしくお願いしますm(__)m
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