忍者ブログ
風の向くまま、気の向くままに更新します♪ ホームページと連動しておりますので、HPの方もよろしくお願いしますm(._.)m
<< 03  2024/04  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30    05 >>
[135]  [134]  [133]  [132]  [131]  [130]  [129]  [128]  [127]  [126]  [118
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

2月14日

セント・バレンタイン

菓子屋の陰謀?

チョコレート会社の策略?

そんなの関係ない

それは

世の女性にとって

聖戦と言っても過言ではない

チョコレート
或いは
ケーキ
はたまた
手編みのセーター……

彼女達は
思い思いの武器を手に

意中の男性のハートをぶち抜かんと

出陣する

そう……

セント・バレンタイン

それは

もう一つの

ハルマゲドン

なのである



「可愛いよねぇ……」
バレンタインの話題で盛り上がるクラスメート。
何とも微笑ましい光景に、紗貴は思わずそう暢気に呟いた。
「瑞智さん、瑞智さんにもあげるからね」
輪の中の一人が、紗貴にそう言葉を掛ける。
「ありがとう。楽しみにしてるね。」
そう応えたのが、どうやら運の尽き(?)だったらしい。
「私もあげるわ!」
「心配しないで、本命は紗貴ちゃんだから!」
訳の分からない告白までされて、今度は思わず一歩退きながら応える。
「あっ……ありがとう……」
1年3組委員長瑞智 紗貴は、そんじょそこらの男子よりも逞しい。
背丈もそこそこ高く、文武両道……しかも女子にはさり気なく優しい、気遣い屋さんだったりする。
何よりそのリーダーシップ振りといったら、まさに“理想の王子様”だ。
スカートを履いていようと、些細やかなら胸に膨らみがあろうと、そんなのは些末な問題でしかない。
そう、“憧れ”に性別の壁はないのだ。

「そういえば、瑞智さんは鴻儒君に何あげるの?」
実は、紗貴を取り囲んだクラスメートの目的はここだったりする。
半年ほど前、紗貴には鴻儒緋岐という彼氏が出来た。
この鴻儒緋岐という少年……彼もまた、女生徒の理想を地で行く少年である。

文武両道
眉目秀麗

天は二物を与えず

そんな言葉とは無縁の少年だ。
だが……
女性慣れしていると勝手に思われていた、この少年……
実は、大変な奥手で鈍感だという事が発覚。
しかも、よりによって想い人は……

「は?コイ……鯉は食べた事ないなぁ。」

「キス?ああ、海魚ね!あれは塩焼きにしたら美味しいよ。」

そんな、恋愛回路が死滅しているんじゃないかと疑われている委員長だ。

“委員長!気付いてあげて!”

切なる3組の願いが届いたのか、今や二人は誰もが認める最強カップルだ。
カップルが誕生した瞬間、3組のクラスメートが妙な達成感に心を満たされた事は、当人達の預かり知らぬ事である。


話を元に戻そう。
そんなこんなで、3組は今話題は欠かない。
詰め寄られた紗貴は、困った様に苦笑すると爆弾発言をかました。
「あげる予定、ないんだ。」
いきなりの、戦線離脱宣言。

沈黙がその場を支配する。

「ぇええぇえ!?」

そして、教室を揺るがす様な驚愕の声が上がった。
その反応をある程度予測していたのか、渦中のその人は涼しい顔だ。
「いやだって、私があげなくても沢山もらうだろうし……」
「待った!ちょっ待った!」
ハンカチで涙を拭いながら話に参戦して来た男子達の思わぬ訴えに、紗貴は固まる。さすがに予想していなかった。
「いやでも……甘いもの嫌いって……」
辛うじて反撃してはみたものの、何の意味もない。
「数じゃない!数じゃないんだよ!」
「本命チョコは、義理チョコ100個より意味があるんだ!」
毎年「何個貰えたか」という寂しい小競り合いを繰り広げている男子らしからぬ、その最もらしい抗議に、紗貴は溜め息混じり唸る。
「そんな必死にならなくても、ちゃんと義理チョコじゃなくて友チョコを用意するよ?クラス分は。」
男子達の必死の訴えは、全く紗貴には届いていなくて……むしろ、この場合“義理チョコ”と“友チョコ”の違いが判らないのだが……
「何で、義理は用意して本命は用意しないんだ!」
チョコレートを貰える嬉しさを隠し切れず、多少頬が緩みながらも、声は元気に糾弾する。
女子からの視線が、妙に痛い。それでも嬉しいものは仕方がないのだ。
一方、紗貴も困り果てていた。

まさか……“恋人の振り”をして貰ってるだけとは、言えないしなぁ……

そう、“恋人”というのは単なるカモフラージュでしかない。
この事は、当人達以外には紗貴の祖父 瑞智 正宗しかしらないトップシークレットである。

紗貴には、限られた人しか知らない、もう一つの顔がある。

瑞智家宗主代行として、闇に住まう“妖”と呼ばれる者達の掃討する義務を課せられているのだ。
その紗貴の援護者として、天海 将、楼条院 蘭子そして鴻儒緋岐、詆歌の双子の合わせて4人が紗貴をサポートしている。
鴻儒兄弟が援護者となる時、紗貴が中学を卒業するまでという条件付きで“恋人役”を引き受けた。
中学卒業の年、紗貴は許嫁と正式に婚約の杯を交わす事が、既に決まっている。

拍手

PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
secret (管理人しか読むことができません)
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
★ カレンダー
03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
★ フリーエリア
★ 最新CM
[10/10 管理人]
[01/05 管理人]
[12/30 管理人]
[11/15 管理人]
[10/29 管理人]
★ 最新TB
★ プロフィール
HN:
翔 梨藍
性別:
非公開
職業:
学生
趣味:
散歩、サイクリング、世の中の不思議について考える事
自己紹介:
徒然なるままに、色々書いています♪
お気軽にコメントしていって下さいねwww
尚、『胡蝶の夢、泡沫の空』で頂いた拍手の返信も、ここでしております♪
皆さん、よろしくお願いしますm(__)m
★ バーコード
★ ブログ内検索
★ カウンター
★ アクセス解析
★ ブログの評価 ブログレーダー
★ NEXT CARD
★ 拍手

Copyright (c)徒然日記 All Rights Reserved.
Photo material by 空色地図  Template by tsukika

忍者ブログ [PR]